東京・日暮里駅から徒歩数分の場所にある「谷中銀座商店街」は、昭和の面影を色濃く残すレトロな街並みが魅力の人気観光スポットです。全長約170メートルの短い通りには、お惣菜から雑貨まで個性豊かな個人商店が約60軒もひしめき合っています。中でも特に観光客や地元の人々から熱い視線を集めているのが、種類豊富な「食べ歩きスイーツ」の数々です。手軽に片手で楽しめる絶品スイーツの宝庫として、週末のお出かけやデートスポットとしても絶大な人気を誇っています。
谷中銀座に足を踏み入れると、どこからともなく漂ってくるお醤油の焦げる匂いや、お菓子の甘い香りに包まれます。近代的なビル群とは無縁の、木造建築や昔ながらの看板が並ぶノスタルジックな空間で味わうスイーツは、デパ地下や高級カフェで食べるものとは一味違う、素朴で温かい魅力に溢れています。下町情緒を感じながら、出来立てのスイーツを頬張る体験は、谷中銀座ならではの特別な時間です。
谷中周辺は昔から路地裏に多くの猫が暮らしていることから、「猫の街」としても広く知られています。そのため、谷中銀座の食べ歩きスイーツには、猫をモチーフにした愛らしいデザインのものが数多く存在します。肉球の形をしたお菓子や、猫のしっぽに見立てた焼き菓子など、食べるのがもったいないほどキュートなスイーツたちは、SNS映えも抜群で、若い世代を中心に大きな話題を呼んでいます。
谷中銀座を訪れたら絶対に食べておきたい、代表的な食べ歩きスイーツを提供する人気店とそのメニューをご紹介します。
谷中銀座のスイーツを語る上で欠かせないのが、焼きドーナツ専門店の「やなか しっぽや」です。猫のしっぽをモチーフにしたスティック状の焼きドーナツは、可愛らしい見た目と食べやすさで大ブレイクしました。トラ猫をイメージしたココア生地のものや、ヒョウ柄のものなど、種類によってデザインや味が異なり、選ぶ楽しさも満点です。油で揚げていないためヘルシーで、優しい甘さが口いっぱいに広がります。
和の素朴な甘さを堪能したい方におすすめなのが、「ちょんまげいも たまる」です。看板商品の「ちょんまげいも」は、スイートポテトを棒状にしてたっぷりのゴマで包み、香ばしく焼き上げた一品です。外側のゴマのプチプチとした食感と、中のさつまいものホクホクでしっとりとした自然な甘さが絶妙なハーモニーを奏でます。お茶請けにもぴったりで、食べ歩きしながら日本の伝統的なおやつの美味しさを再発見できます。
季節を問わず楽しめる定番スイーツだけでなく、その日の気候や気分に合わせて選べるバリエーションの豊かさも谷中銀座の魅力です。
商店街の中には、昔ながらの製法を守り続ける老舗の和菓子店も点在しています。店頭のショーケースには、みたらし団子や草餅、季節のフルーツを使った大福などが美しく並べられており、見ているだけでも食欲がそそられます。注文を受けてから焼き上げてくれるお団子は、焦げ目の香ばしさとタレの甘辛さがたまりません。渋い日本茶と一緒にいただけば、歩き疲れた体もじんわりと癒されます。
日差しの強い夏場や、たくさん歩いて少し火照った体を冷ましてくれる冷たいスイーツも充実しています。濃厚なミルクの風味が味わえるソフトクリームや、季節の果物をふんだんに使ったさっぱりとしたジェラート、さらにはこだわりのシロップをかけた本格的なかき氷を提供するカフェもあります。お惣菜などのしょっぱい系グルメを食べた後の「お口直し」としても大活躍してくれます。
谷中銀座での食べ歩きを最高に楽しい思い出にするために、知っておきたいローカルルールやおすすめのスポットをご紹介します。
「食べ歩き」という言葉が定着していますが、混雑時の歩行中の飲食は他のお客さんの迷惑になったり、服を汚してしまうトラブルの元になることもあります。購入したお店の脇にあるベンチや、指定された飲食スペースで立ち止まって食べる「立ち食い」スタイルが推奨されている場合も多いので、各店舗の案内に従いましょう。また、食べた後の串や包み紙などのゴミは、購入したお店のゴミ箱に捨てるか、各自で持ち帰るのが商店街を綺麗に保つための大切なマナーです。
日暮里駅側から谷中銀座商店街へと下る階段は「夕やけだんだん」と呼ばれ、美しい夕日が商店街を照らす絶好のビュースポットとして有名です。美味しいスイーツを手に入れたら、この階段からレトロな街並みを背景に写真を撮るのが定番の楽しみ方です。ノスタルジックな風景と可愛いスイーツの組み合わせは、最高の思い出の一枚になること間違いなしです。
谷中銀座のスイーツ文化の発展を振り返る時、過去に一世を風靡したお店の存在も忘れてはいけません。
現在はお店を閉めてしまいましたが、かつて谷中銀座の中央付近にあった「招き屋」は、食べ歩きスイーツの代表格でした。漫画『釣りバカ日誌』の作者がデザインした招き猫型の「福にゃん焼き」は、サクモチ食感の生地と多彩な餡のバリエーションで、多くの観光客を笑顔にしてきました。現在、このお店の味を直接楽しむことはできませんが、招き屋が築き上げた「猫をモチーフにした親しみやすいスイーツ」という文化は、今の谷中銀座の多くのお店にしっかりと受け継がれています。
谷中銀座商店街は、ドーナツやスイートポテト、伝統的な和菓子から冷たいジェラートまで、多種多様なスイーツが手軽に楽しめる、まさに甘党にとっての楽園です。昭和の空気が漂う温かい雰囲気の中で、お気に入りのスイーツを探しながら散策すれば、お腹も心も満たされることでしょう。次のお休みは、ぜひお腹を空かせて谷中銀座へ「美味しい宝探し」に出かけてみてください。